🧬 TOPs細胞とは
〜Rejoint Clinic Dr.Kでの関節軟骨再生の柱のひとつ〜
✅ TOPs細胞の概要
• TOPs細胞 は、脂肪組織から採取した 脂肪由来幹細胞(ADSC) を、特殊な方法で培養・管理したものです。
• 培養法は、東京大学整形外科との共同研究によって開発され、患者さん自身の脂肪(通常はお腹周りなど)から低侵襲に採取します。
• 採取した脂肪から幹細胞を分離する際に、従来必要だった「組織を壊す処理」をなるべく抑え、細胞へのダメージを最小化した方法であることが特徴です。
• 採取 → 培養(30日間)→ 投与 までが厳格に管理されており、品質管理・安全性に配慮された再生医療用細胞(“特定細胞加工物”)として提供されます。
• 「脂肪由来幹細胞の中でも、品質と安全性を高めた “TOPs細胞”」が、当院の関節軟骨再生の新しい柱のひとつです。
📈 なぜ脂肪由来幹細胞(TOPs細胞)なのか?
| 項目 | 一般的な幹細胞 | TOPs細胞の特徴 |
|---|---|---|
| 採取部位 | 骨髄など — 採取に痛みや侵襲あり | 脂肪 — 局所麻酔で簡単に採取可能 |
| 細胞への負担 | 組織破砕などでストレスあり | 組織を壊さずに単離 → 細胞ダメージが少ない |
| 品質管理 | 施設により差がある | 東京大学 × CPC社 の共同研究で培養・管理され、統一された品質 |
| 使用形態 | 凍結細胞が多い | 治療当日に解凍・最終培養 → “フレッシュな状態” で投与 |
つまり、TOPs細胞は「安全性」「再生能力」「患者負担の軽さ」のバランスを最適化した脂肪由来幹細胞であり、再生医療における先進ブランドという位置づけです。
🛠️ TOPs細胞を使った治療の流れ
1. 医師による診察と適応を判断
2. 局所麻酔下で脂肪組織を少量採取(通常、お腹周り)
3. 採取した脂肪を専門培養施設へ搬送 → TOPs細胞を培養・品質チェック
4. 治療当日、凍結せず“生きたまま”のTOPs細胞を関節部または治療部に注入(あるいは点滴)
5. 術後ケア・経過観察。必要に応じて複数回治療可能
👉 多くの場合、脂肪採取も投与も低侵襲・短時間(=患者さんの負担が小さい)のが特徴です。
🌟 TOPs細胞のメリット(患者さんにとって)
• 自分の細胞を使うため、拒絶反応のリスクが低い
• 傷が小さく、入院不要/日帰り対応可能
• 凍結によるダメージがないため、細胞の生きが良く、機能が保たれやすい
• 関節軟骨の損傷を修復する可能性
• Rejoint surgery と組み合わせる(=Rejoint surgery +)ことで、軟骨・関節の再生を目指せる
• 将来的な関節手術(人工関節など)を回避または先延ばしできる可能性
🔎 なぜ再生医療で「幹細胞」が必要なのか?
関節の痛みや骨の損傷は、従来「軟骨のすり減り」や「骨の変形」で説明されてきました。
しかし近年では、関節の奥深く――軟骨下の骨や骨髄の「微小損傷」「炎症」「むくみ(骨髄病変:BML)」などが、痛みや機能低下の重要な原因とされることが多くなっています。
このような「骨の内側と関節軟骨の損傷が併存する病変」は変形性膝関節症では患者さんの8割に認められるという報告もあり、従来の関節注射治療だけでは対応が難しく、難治性です。
このような場合、Rejoint surgeryによって骨の土台を修復し、関節軟骨はTOPs細胞によって“細胞の力で修復を促す” 再生医療アプローチが理想的です。これらを組みわせた治療方法は現行の保険診療ではカバーできず、保険外診療でこそ可能となる選択肢です。
TOPs細胞はまさにこの目的に合う細胞で、
「壊れた骨・軟骨を再生する」というアプローチを可能にするものです。
⚠️ 注意点・限界について
• TOPs細胞を用いた治療は、保険適用外(自由診療・特定細胞加工物)です。
• すべての患者さんで効果が保証されるわけではありません。適応や状態により個人差があります。
• 再生医療には「効果の出方がゆっくり」「複数回治療が必要な可能性」などもあります。
• 脂肪採取および細胞投与は、適切な条件で行う必要があります(無菌環境、品質管理など)。
当院では、患者さんひとりひとりに対して、安全・効果・リスクをしっかり説明した上で、慎重に治療を行います。